XPANDコードとは

XPANDコードは、空間やモノとスマートフォンをつなぎ、利便性を高めるツールです。
QRコードやJANコード(バーコード)などと同様、スマートフォンで読み取って利用します。
スマートフォンでXPANDコードを読み取ると、スマートフォンに追加情報を表示することができます。

例)駅の案内板に設置されているXPANDコードを読み取ると、列車の発車情報を表示する

案内板や標識から、手持ちのスマートフォンに情報を表示することで、より多くの情報をユーザーに提供することが可能です。
また、スマートフォンの言語設定に合わせて各国言語で表示が行えるため、多言語対応をスムーズに行うことができます。

XPANDコードの設置イメージ

XPANDコードは看板、天井から吊り下げる形式や壁に掲示するタイプのサインなど、やや離れた位置からの読み取りに適しています。また、細長いバーコード形式のため、サインの表示領域を圧迫しません。

例)駅入り口サインへの設置。列車案内を表示。

例)道路標識への展開。観光情報動画を再生。

例)都市案内標識への展開。音声案内を開始。


このように、新たにデザインしたバーコードとスマートフォンの表示ソリューション全体を「XPANDコード」と名付けています。

QRコードとの住み分け

広く普及しているQRコードは書類、帳票、チラシなど、近距離からの読取りを前提としています。
そのため、頭上に掲示する標識などのような、ある程度離れた位置からの読取りを可能にするためには、その分だけ大きなサイズのQRコードが必要となります。
サインデザイン側の視点から開発された、横長スリット状のXPANDコードならば、サインの領域を有効活用し、デザインと調和しながら拡張情報を提供することが可能です。

限られたサインの領域を有効活用できない上、ノイズ的なQRコードのデザインは、サインの中で不必要に大きな存在感を放っている

しかし、XPANDコードとQRコードは対立するものではありません。

近づいてQR 離れてXPAND

実は、現在配信されているXPANDコード対応アプリは、全てQRコードにも対応しています。
XPANDコードとQRコードを組み合わせて使う。これがサインとネットをつなぐ最強のソリューションです。
遠距離からの読取りが必要なサインにはXPANDコードを、近距離からの読取りが必要なものにはQRコードを貼り付ければ、近くからでも遠くからでも、ひとつのアプリでコードを読み取るだけで、サイン(=リアル)とネットをスムーズにつなぐことができるようになります。
もちろん、スマホで表示させるコンテンツは共通利用できます。


「近づいてQR 離れてXPAND」これが、リアルとネットをつなぐこれからの標準です。

知的財産権

XPANDコードは、図形と文字の組み合わせ(外観そのもの)が商標としてWIPO(世界知的所有権機関)に国際登録されています。

利用のメリット

離れたところとのリンク

近距離向けのQRコードと組み合わせることにより、モノからスマホへの入口を増やし、10cm~200mという広い射程距離でモノとスマホとを連携させた新しいサービスを展開できます。

表示板面の有効利用

大型屋外広告等、QRコードをレイアウトしにくい場所からもスマホへの誘導手段を確保することができます。細長い形状のため、QRコードに比べて限られた板面を有効活用することができます。

プライバシーの保護

公共空間のポスターやサイネージのQRコードを近づいて読み取ると、自分の関心事を周囲に晒すことになります。離れたところから読み取れるXPANDコードならば、その心配はありません。

不適切なコンテンツの遮断

XPANDコードはXPANDサーバーを一旦経由してコンテンツへ移動します。このため、偽コードへの貼替えや、不適切なコンテンツへのリンク設定があった場合でも、これを遮断することができます。

XPANDコードと各トリガーシステムの比較


空間に設置した機器などを起点に、スマートフォンへ誘導する技術(トリガー)は、多数存在します。
XPANDコードやQRコードなど光学式のトリガーは古典的ですが、サインと組み合わせる場合には、確実性・コスト・視認性の点で最も優れている、と私たちは考えています。

XPAND vs 光ID
光IDとは、LED照明を用いて、人間の眼ではわからない高速な点滅で通信を行う仕組みです。スマホの専用アプリで光を受信し、コンテンツへ誘導するなどの処理を行います。
XPAND 光ID
5m以上先からの使用 できる できる
認知度 ×知られていない △東急線など一部での実証実験中心
利用者側に必要なアプリ △XPAND対応バーコードアプリ ×光ID専用アプリ
提供者側に必要な機器 なし ×専用の照明制御機器
停電時 使える ×使えない

その他の違い

  • 光IDは、人間が認識できないため「ここに光IDがあります」というサイン(サインのためのサイン)が必要になる
  • 光IDは、黒や濃暗色ベースのサインでは機能しにくいため、デザインが制約される
  • 光IDの高速点滅が人体に与える影響について、実証データが少ない
  • 光IDの読取りエンジンはオープンな規格でないため、アプリやコンテンツ制作側にとって参入障壁が高い
XPAND vs 音響ID
音響IDとは、構内放送などの音声に、人間の耳では聞こえない信号を含めることで通信を行う仕組みです。スマホの専用アプリで音を受信し、コンテンツへ誘導するなどの処理を行います。
XPAND 音響ID
5m以上先からの使用 できる ×環境によりできない場合がある
認知度 ×知られていない △鉄道・バス・空港などでの実証実験中心
利用者側に必要なアプリ △XPAND対応バーコードアプリ ×音響ID専用アプリ
提供者側に必要なもの なし ×音響IDを含んだ音声コンテンツ
複数のサインに設置する場合 問題なく個々を識別できる ×音がまじりあって識別できない可能性がある
停電時 使える ×使えない

その他の違い

  • 音響IDは、スマホのマイクをわざわざ音源に向ける必要がある
  • 音響IDは、人間が認識できないため「ここに音響IDがあります」というサイン(サインのためのサイン)が必要になる
  • XPANDコードは、サインが混在する駅などでも、裏表やサインの位置などによって違うIDを設定するなど、きめ細かい設定ができる
  • 音響IDアプリは、マイクを向けるために、スマートフォンを上下逆さまにする必要があり、使い勝手が悪い
  • 音響IDの読取りエンジンはオープンな規格でないため、アプリやコンテンツ制作側にとって参入障壁が高い
XPAND vs ビーコン
ビーコンとは、発信器から定期的に信号を発信し、スマホなどでこれを受信する仕組みです。スマホ側でコンテンツへ誘導するなどの処理を行います。
XPAND ビーコン
5m以上先からの使用 できる できる
認知度 ×知られていない iBeaconなどがよく知られている
利用者側に必要なアプリ △XPAND対応バーコードアプリ △ビーコン対応アプリ
提供者側に必要な機器 なし ×発信機の設置が必要
情報配信のタイプ プル型 △プッシュ型
停電時 使える △電池内蔵型でなければ使えない

その他の違い

  • ビーコンは、プル型処理になるため、利用者が情報を欲しいタイミングとはズレが生じる
  • XPANDコードでは、混信を心配する必要がないので、サイン内の位置やサインの表裏で違うコンテンツを表示させるといったきめ細かい運用ができる
XPAND vs 画像マーカー
画像マーカーとは、画像の中に、人間の眼ではわからないコードを埋め込む仕組みです。スマホの専用アプリで読取り、コンテンツへ誘導するなどの処理を行います。
XPAND 画像マーカー
5m以上先からの使用 できる △仕様による
認知度 ×知られていない ×ある程度知られているが、規格が多数あり
利用者側に必要なアプリ △XPAND対応バーコードアプリ ×各規格の専用アプリ
設定の負担 コードの発行のみで容易 ×画像を個別に登録する必要があり、面倒

その他の違い

  • 画像マーカーは、人間の眼ではわからないため「ここに画像マーカーがあります」というサイン(サインのためのサイン)が必要になる
XPAND vs NFC
NFC(広義)とは、交通カードのように、数cm程度の近距離で通信する仕組みです。スマホの専用アプリで読取り、コンテンツへ誘導するなどの処理を行います。
XPAND NFC
5m以上先からの使用 できる ×できない
認知度 ×知られていない 広く普及
利用者側に必要なアプリ △XPAND対応バーコードアプリ ×各サービスの専用アプリ
提供者側に必要な機器 なし 専用の機器が必要
停電時 使える △電池内蔵型でなければ使えない

XPANDの利点

  • NFCは、「ここにタッチしてください」などのサイン(サインのためのサイン)が必要になる
  • NFCは、近づいて通信する必要があるため、天吊りなど手の届かないところにあるサインでは使えない
  • NFC通信には、NFC対応スマホが必要
XPAND vs QR
XPAND QR
サインデザインとの親和性 サインと調和 ×大きなエリアを占め、サインと調和しない
5m以上先からの使用 できる △できるが、巨大になる
使用技術 ×知られていない 広く普及
利用者側に必要なアプリ △XPAND対応バーコードアプリ iPhone標準カメラ or QRコードアプリ

その他

  • XPANDコードとQRコードはひとつのアプリでハイブリッド運用可能なため、組み合わせると、近距離から遠距離まで広くカバーできる
XPANDコードジェネレーター